挑戦〆リポート〆(30)

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2022年12月13日火曜日

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◆【倫理学概論】設題2

書籍名:「倫理学概論」

著者:小笠原秀実

設題アウグスチィヌスの『告白(録)』について、その神学的倫理観の特徴について論ぜよ。 


アウグスチィヌスの『告白(録)』の神学的倫理観の特徴を論じる。


まずはアウグスチィヌスを調べると、アウレリウス・アウグスティヌス(3541113 - 430828日)あるいはアウグウティノと記される。古代キリスト教の神学者であり、哲学者、説教者といわれた。ラテン教父とよばれる一群の神学者たちの一人であった。キリスト教がローマ帝国によって公認され、国教とされた時期を中心に活躍し、正統信仰の確立に貢献した教父である。古代キリスト教世界のラテン語圏において多大な影響力をもつ理論家であった。カトリック教会・聖公会・ルーテル教会・正教会・非カルケドン派で聖人と呼ばれた。日本ハリストス正教会では福アウグスティンと呼ばれている。


そこで、アウグウチィヌスの『告白(録)』の前段として、キリスト教神学に触れておかなければならない。このキリスト教神学とは、キリスト教信仰に関する神学である。イエス・キリストへの信仰を絶対前提としているので、宗教学とは異なる。常に時代や文化の中で営まれていくものであり、時代や文化に画一的に規範となる神学は存在しない。 キリスト教神学者は、聖書を釈義し、分析し、また、理解を助け、講解し、キリスト教を弁護し弁証する。 となっている。テキストP84にあるようにギリシャ哲学が理論的根拠として働き、中核になっていったのだ。その結合を密接にしたのが、アウグウチィヌスなのだ。


ゆえに『告白』の特徴として、一番にあげるのは、当時の時代背景からも分かる通り、キリスト教が中核にあるということだ。キリスト教神学が倫理観の中心にあるという証明でもある。『告白』を別名称として、懺悔録とされているのは、いかにもと思えるくらいキリスト教主義が背景にあるということだ。


紀元前3世紀には、アカデメイアの学頭のアルケシラオスが懐疑主義を採用したため、アカデメイアでは懐疑主義が中心教理となった。しかし、紀元前90年には、アンティオコスがストア派の原理を取り入れ、懐疑主義を拒絶し、中期プラトニズムとして知られる時代が始まった。


紀元後3世紀には、プロティノスが神秘的要素を取り入れて、ネオプラトニズムを創始した。ネオプラトニズムでは、存在の極致は一者は善であり、あらゆるものの源泉であるとされた。つまり、美徳と瞑想によって、人間の魂は自身を上昇させ一者と合一することができると説かれた。


プラトニズムは西洋思想に大きな影響を与え、キリスト教にもプラトンの思想がよく取り入れられた。プラトニズムにおけるイデアがキリスト教では神の思考であると理解された。またネオプラトニズムもキリスト教神秘主義に他の何にもまして、大きな影響を与えたとある。中世哲学時代には、しごく当たり前の知識なのだろう。


アウグスティヌスは、上昇のモチーフを用いて聖書解釈の必然性を示し、さらに注視の働きに則したその不断の探求を説く。そして、今や、読者は『告白』という著作を読み、その物語と共に参与していく限りに於いて、その著者と共にこの不断の探求の営みへと参与して いくことが求められるのである。このように解釈できるが、信仰と知識、理性と道徳、倫理を結びつける、または、横並びにするのはこの時点では難しい課題である。


創世記解釈を始めるにあたり、その最初の巻である『告白』11  1 章で、自らの創世記解釈の目的を次のように規定している。『告白』の創世記解釈の目的は、読者を神の賛美へと駆り立てることにある。人間を神の賛美へと駆り立てること、これはアウグウチィヌスが『再考録』の中で強調することでもあるとの解釈もあるが、テキストP86にもあるように「万有の初めであり、中央であり、そしてまた終りである」ということなしには、語れないというところに行き着く。


『告白』の中に「私について」書かれた部分と「聖書について」書かれた分野とで二つの部分があると同時に「私の悪と善とによって義にして善なる神を称えると共に、 神へと人間の知性と心情を駆り立てるものである」と述べ ている。アウグスティヌスは『告白』のこの二つの部分を一つの統一体として提示しているのだ。「神へと人間の知性と心情を駆り立てる」という役割を持っている。アウグスティヌスは、人間の知性を神へと駆り立てることを助けるという点で、『告白』の全体をこの信仰へ促し、外側にある神ではなく、人間と一体化しているもしくは、必然的に存在すると定義し、これらのことがなくては、他が存在しない神として、位置付けていることが、アウグティヌスの神学的倫理観としての特徴なのではないかと



《参考文献》

グスティヌスの時間論 : 『告白』の統一的主 題を巡る研究 著者:山田 庄太郎 発行年 2014

学位授与大学 筑波大学 (University of Tsukuba)

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