暁の挑戦〜大学1-5〜

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2019年6月16日日曜日

暁の挑戦〜大学1-5〜

【心理学】設題1

書籍名「心の理解を求めて」
編著者:橋本 憲尚
主題:アタッチメント理論について解説しなさい。

・アタッチメント理論について述べていく。

「アタッチメント」とは愛着と呼ばれる母子間の永続的な情緒的結びつきの「絆」を表している。その「アタッチメント」をフロイト、ハーロウ、ボウルビィが本文中、語っている。

フロイトは最初に母子関係を重要視したと前置きがあり「乳児は口唇を通じて母乳を吸うことに快感をおぼえ、その快感を与えてくれる母親に愛情を感じるようになる」とある。口唇からくる肌感覚の情報をアタッチメントとしたのだ。もちろん命を育む行為でもある。

ハーロウはフロイトの論述に対して異論を述べている。子猿の実験を通し「授乳そのものによって愛情が育まれるのではなく、授乳の際のスキンシップにともなう快感が重要であるという結論(接触満足節)を導き出した。」とある。やはり、ハーロウもフロイトと同じく、肌感覚からの安心感、五感を中心にアタッチメントとしたのだ。

ボウルビィはここでの課題、アタッチメントそのものを論述している。ボウルビィいわく「母子間の絆は両者の間でアタッチメント(愛着)と呼ばれる永続的結びつきが形成されることによって築かれると考えた。」とある。両者、絆、愛着、永続的結びつき、築かれるの文言で表しており、心を重視した論述になっている。「生みの親より育ての親」が思い出される。そしてまた、ボウルビィはこうも語っている「養育者を安全基地として周囲の世界を探索しようとする乳児の主体的な活動によると考えた」とある。タイミングよく声かけして、希望、願望を叶えてくれる母親は、乳児からすると最高の存在なのだと思える。

テキストP243にある「エリクソンの発達段階」には乳児期の好ましい結果の項に「環境および将来の出来事に対する信頼」とある。関連している文章としてP247にある「養育者を安全地帯として周囲の世界を探索しようとする乳幼児の主体的活動による」とある。母親も含め、乳児の環境が大切なのである。

各論述からみて「アタッチメント理論」となるとアタッチメントの形成から見ていく必要があるのではないか。また、形成の時期はいつからなのかなどわかっていることで検証を進めたい。そんな中、記述の中に「アタッチメントの形成は胎児期から始まっている。」(中原1983)とある。やはり早い時期からアタッチメントは形成されているのだ。ということは発達の過程を通して、アタッチメント理論を論述する必要がある。この論述でいくと胎教はやはり子育てにとって有効な手段なのかもしれない。30数年以前にはそのことが理解されていたのだ。かく言う自分も30数年前に妊娠、出産、子育てをしている。思い返せば、胎教胎教と胎教ブームだったのが蘇る。お腹に声をかけたり、音楽を流しながら、妊婦生活をしていた。現実に体験することができた女性は、皆、実感しているはずだ。

テキストP244にある「ピアジェの発達段階」0~2歳をみると「環境とのかかわりの中でシュマを獲得していく。」とある。シュマとは「ものごとの単純化されたイメージ」とのこと。母子ともに環境が重要なのだ。

「ピアジェの発達段階」に関連している文章として「新生児には、環境に働きかけるための反射機能として吸啜反射が備わっている。」とある。環境に対応するために、反射機能(意識することなくても出来る)が、生命維持への安全機能として備わっているのだ。

テキストp250にある「健全なアタッチメントの形成には、特に母親が①子どもの活動に対して敏感に反応すること、②一定量以上の相互作用があること、③子どもとの相互作用を喜びをもって行うことが重要であると述べている」とある(繁多1987)こういったことを意識的に母親ができれば一番いいのだろう。環境が整えば、可能なのかもしれないか、このモチベーションを母親に要求するのは、難しく感じる。

また、

テキストP247の「乳児の個性」には扱いやすい子と扱いにくい子のアタッチメントの質の違いの理由が述べられている。あくまでも親から見てだろうが「扱いやすい子どもは、母親の働きかけに敏感に反応し母親に養育する喜びを与えるため、質のよいアタッチメントが形成されやすい。しかし、扱いにくい子どもは、母親に育児に対する否定的イメージや育児不安を感じさせやすく、アタッチメントの形成を阻害することが多い。」とある。 母子の相性が大切だということなのかもしれない。母親としての愛情はあるものの合わない母子もいるのが現実だ。乳児とはいえ生まれたからには、もう一個人としての個性があって当たり前だ。教育学でも学んだ、家庭教育の重要性と重なる。

テキストP248にある「心の絆を育むー乳児期の母子相互作用」ここにアタッチメントの大元が詰まっている。ポイントとして「相互作用がスムーズに展開していくためには、母親の応答性、乳児の内的状態や信号を敏感にとらえ、タイミングよく適切に対応することが鍵となる。」とある。理想論かもしれないが、健全な社会を築くためにもこのように心がけ、守って育てていくのが、大人たちのするべきことのひとつなのだ。

アタッチメント理論は母子相互作用から生まれる一体感であり、愛着心が心の絆を育むのだと理解した。子どもの健全な育成において、重要かつ必要不可欠なのだ。そして、乳児期においても胎児のときからも、大切な相互作用なのだ。その相互作用は、かなり長い間、成長に影響を与え、その子どもに良きも悪しきも作用することがわかっている。

経験上、たしかに悩み相談の一つに親子関係の問題が多く見られる。色々な悩み、迷い、問題もルーツをたどると親子関係から来ている事例が多くある。

アタッチメント論を学ぶことと知ることは、子を持つ側の親の知識として重要な位置を占める。

となると、どの時点で知ること、学ぶことがよいのだろうか。やはり、学ぶのであれば、高校生の時期が良いのかもしれない。悩み、迷いが生まれる時期でもあり、そんな時期に親になる教えを受け、親の存在を再認識し、自身も備える。中には苦労人の高校生もいるが、しかし、多くの高校生は、高校生としての社会参加を意識するためにも必要だ。子どもたちの未来のために。

とはいえ、学んだ、知ったでは、母子だからといっても、必ずしも、スムーズにアタッチメントが、得られるわけではない。前述のように、子の個性と母親の人格特性の適合が問題だ。もちろん、良いほど、スムーズであるといえる。また、2人を取り巻く環境や周囲との関係により、左右される。そして、母親の育児期時点のメンタルも関係してくる。子ども自身の良いところを伸ばすためにも、母親が落ち着いた環境で子育てが出来るよう、社会が周囲がサポート出来れば、素晴らしい。

つまり、アタッチメント理論は母子が本来の意味の親子になるための重要な絆の一つだといえる。その道は色々と整備しなければならない難しい事情もあるが、子どもたちのためにも遂行したいものだ。

子の成長、母親の人間性の成長に多大なる影響を及ぼすのが、このアタッチメントなのである。ということは個性や人格特性を理解し、育児にあたることができればどうなのだろう。どの母親も無力感を抱くことなく、子もスムーズな成長を得られるのではないか。理解するためのツールは、ちまたに溢れている。大人は、子供達の為に良きツールを学んでもらいたい。

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